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春を彩る桜の花びらよ、もっともっと咲いてくれ。
そしてどうか、僕らの始まりを祝っておくれ。


春が来るたびに僕は思い出す。
君を初めて見たあの時を
君と初めて交わしたあの言葉を
君が初めて見せてくれたあの笑顔を。

夏が来るたびに僕は思い出す。
君と初めて隣り合って歩いたあの砂浜を
君と初めて見たあの花火を
君と初めてお土産を選んだあの店を。

秋が来るたびに僕は思い出す。
君と初めて手をつないで歩いたあの街道を
君と初めて見つめ合った公園を
君が初めて僕にくれたあの口づけを。

冬が来るたびに僕は思い出す。
君と初めてバスを待ったあの停留所を
君と初めて二人きりで行ったあの旅行を
君を初めて抱いたあの夜を。


僕には全てが輝いて見えた。
モノクロな物は世界のどこにも見当たらなかった。
僕には全てが新しく見えた。
見慣れた物は世界のどこにも在り得なかった。
僕には全てが素晴らしく見えた。
意味のないモノは世界のどこにも、なかったんだ。

ふたりを裂くものなんて何もないと思っていた。
そんな事があるとすら考えていなかった。
けれどそれは身近にあった。
きっと何より僕らに近いもの。

君はあの時も笑っていたね。
少し遠くなるだけだからと、涙が止まらない僕を抱きすくめてくれたよね。
でも、僕には見えていたよ。
ふたりの行く先が。ふたりの結末が。僕の成れの果てが。

時間が止まって欲しかった。
時計の音が怖かった。
未来を捨てても君のそばにいたかった。


咲き誇る桜の花びらよ、もっともっと散ってくれ。
そしてどうか、僕の涙を隠しておくれ。
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