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例え、僕が夜の闇に飲み込まれても
君さえ僕の事を覚えていてくれたなら・・・

好きだと、初めて口に出して
抱きしめたい、と初めて思って
それでも足りないくらいに愛していて
それでも僕の気持ちも君の心も埋まらなくて
キャパシティはどれ位なんだろう、って心底不思議に思う。

僕は君を好きで
でも君は僕の事を嫌いかもしれなくて
でも言わなければ何も変わらなくて。
でも
そういう葛藤があるから人に恋焦がれるのだと
そう思った。

君が隣を歩いていた。
桜吹雪の通りを
眩しい砂浜を
茜色の街角を
雪のあぜ道を。
全てが鮮明で
全てがリアルで
君を脳裏に焼き付けた。

例え、君が蒼穹の青に飲み込まれても
僕さえ君の事を信じていたなら
救い出せると、そう、君も僕も信じていたね。
でも僕は無力で
君は思うより儚くて
―二人のキモチはもっと儚くて。

君は太陽。
僕は月。
君がいるから僕が光り
僕がいるから君がいる。
君が僕を劇舞台へと呼んでくれるなら
僕は君を安らげてあげられる唯一の人。

けれど、僕らのキモチは硬くて儚かった。
そして、僕らの命も柔らかくて脆かった。

サヨウナラ全世界。
僕も君の元へ、今旅立つ。
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夢を、見た。
内容は良く覚えていない。
でも頬に残る冷たい跡が
忘れてよかったと思える内容だと語っていた。

眠りが浅いのか疲れのせいなのか
僕は良く夢を見る。
そして雀が鳴く頃に、悲しさに胸を砕かれる。
悲しさといっても
何が悲しくて
何が起こって
何に憤慨を感じて泣いたのか
それすら覚えていない。
けれどその、根拠のない悲しみは
僕の胸に色濃く刻まれ
今まで生きてきた人生を、より青に染めて行く。

夢とは恐ろしいものだと思う。
ここに僕がいて、愛する人がいて
大切な一時を過ごし、愛し合った証すら
夢かも知れないのだから。
今いる自分が夢ならば
夢を見ているのは誰なのだろう。
現実の僕なのか
それとも顔すら知らぬ人なのか。
そう考える僕は
酷い自虐癖でも持っているのだろうか。

だが今の「僕」が夢であろうと現実であろうと
生きようとする意志がなくても生かされている現実と
生まれてこようと思わなくても生まれてきた夢とでは
何が違うのだろうか。
消えたくても消えれなくて
胸を圧す悲しみは変わらなくて。
それだけ一致しているなら
もう、同一なのだろう。
そしてそれでいいと思える程に
僕は現実に疲れているのだ。

日が沈み、灯りも消えて行く刻になれば
僕もまたベッドへ向かう。
そして、数時間の記憶の空白の後に
また悲しみに襲われる。
その悲しみはどんな悲しみなのか
それすら気にならない程に
僕は現実に悲しまされているのだ。

そのルーティンワークは崩れる事はないと
そう考えてベッドに向かっている時に
閉め忘れたカーテンの合間から、満月に目を奪われた。
そして唐突に
―本当に唐突に
今までの悲しみを思い出した。
それはアルバムのページをめくる様な優しさはなく
怒涛の様に押し寄せて
その記憶の怒涛は、月明かりの下でまた僕の目を濡らす。

僕が小学生の頃に毎日通った通学路。
その道端に、綺麗な白い花が咲いていた。
朝露に濡れて
茜の光に染まって
それはとても美しく、僕の宝物になっていた。
けれど花は蜻蛉の様な脆さで
花だけではなく、世界が白く染まる前に
その花弁を落とした。

たった、それだけの夢を見て
僕は泣いていたのだ。

僕は、人とは人並みにしか付き合わなかったし
動物も飼わなかったし、植物も育てた事もない。
それはやはり
もう、儚いものは見たくなかったからなのだろう。

僕が夢を見て夢を望まない理由も
満月の月明かりがもたらした激しい波によって
謎が解けたのだった。


冬の乾いた空を潤す一時の雨。
冷たく、触れれば人の体温をも奪うその水を
僕は決して嫌いではない。

僕は雨が好きだ。
濡れるのは好きではないが、雨の中にいるのは好きだ。
雨は全てを消してくれる。
世の中の雑音も
余計な臭いも
汚れた物も
僕の過去も。
別に嫌な事があったわけでもないのだが
誰だろうと昔の自分を見たいとは思わないだろう。

例えそれが逃げている事になろうとも。

君が僕の傘の中に入ってくれる。
僕は君の手をコートのポケットに招き入れる。
君は驚いた後に嬉しそうに微笑んで
僕は少し赤くなりながらしっかりと手を握る。
君の肩が濡れないように
僕のバックを濡らして君を守る。
君の歩幅に合わせるように
僕は少し遅く足を踏み出す。

例えそれが僕にとって良い事ばかりでなくとも。

雨が上がった冬の空は
澄み切った空気が心地良い。
僕は鼻腔に冷えた空気を思いっきり吸い込んで
痛いくらいの「冬」を体感する。
だけど決して嫌ではなくて
肌を刺す空気が良いくらいだ。
さぁ、あの七色の光を目指して
僕と君で歩こうか。

例えそれが楽しいことばかりでなくても。

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